①Huawei問題の爪痕が日本にも
トランプ大統領は、米国企業による非米国企業の通信機器使用を禁止する大統領令に署名したことにより、事実上Huawei製品の締め出しを進めています。併せて、米商務省の許可なしに米国製品を輸出できない規制リストにHuaweiを含めた中国製品を追加したことを説明しました。
このような米国政府の対応に追随する形で、Google社はHuaweiのスマホ製品に対してオペレーティングシステムでandroidのOSのアップデートを停止することを発表。アプリの使用においてもYouTubeやGoogle利用ができなくなるという内容です。
また、日本国内において、KDDI・ソフトバンク・ドコモなど大手キャリアでもファーウェイの新型スマホの販売を延期発表したため、日本企業にも大きなダメージが発生することが確定となってしまいました。
なぜ日本企業に被害が発生してしまうのでしょうか?
実は、ファーウェイの主力サプライヤーは日本電産、パナソニック、住友電気工業、ジャパンディスプレイなどが挙げられ、部品供給において日本と所縁がある企業なのです。
7200億円規模の部品を調達しています。これは対中輸出額の4%にあたる額であり、日本にとってファーウェイは大口顧客でもありました。
部品供給だけでなく、Huaweiの技術部分でも海外メーカーに依存している状態であり、うちソニー・東芝・村田製作所・TDKといった日本企業も携わっています。ファーウェイの世界におけるマーケットが縮小していき衰退することは、関連している日本企業の受注が減少して不況に繋がってしまうのです。
②生活品の値上げが家計を襲う
以前の投稿で、私たちの身の回りの生活品に多く見られる「メイドインチャイナ」について触れ、いかに中国製品に依存しているかについて説明しました。
必ずしも、食糧・飲料・生活用品に使用されている原価高騰が、商品の価格上昇の要因となる訳ではありません。下支えとなる流通など関連したコスト上昇が商品の物価上昇にも繋がることをここで説明します。
米中が互いに関税合戦を繰り広げる中、日本国内において意外なものが値上がりをしようとしており、それが商品の物価上昇を後押ししようとしています。それは段ボールのコストです。モノを運搬する際に利用する段ボールのコストが上がった分が商品に上乗せされてしまうのです。
段ボールの資源は古紙であり、以前は米国から輸入していた中国ですが、関税が25%かけられたことから、仕入れ先を日本に変更しました。
日本は世界でトップレベルのゴミ分別をしているため、古紙のクオリティが非常に高いため、品質の高さからも気に入られ爆買い要因となってしまいました。
日本の古紙を爆買いされて日本国内の古紙が減少し不足状態が続いており、段ボールのコストが高くなっているようです。 結果として、食料品・ペットボトル飲料など運搬で使用する段ボールのコスト上昇が物価上昇に繋がってしまい、私達の生活が苦しくなっていくのです。
③株価暴落で我々の年金が危ない!
米中関係が悪化することで、世界経済の懸念から投資家はリスク回避から株を売り払うためニューヨークダウ、ナスダック、中国株式指数、日経平均株価が共倒れで暴落していきます。世界同時株安の襲来です。日経平均株価や株価暴落というニュースが流れて、投資家はパニックや慌てるものですが、実は年金受給資格者にも深く関係のある話なのです。
私たちの年金の運用を行っている「年金積立金管理運用独立行政法人」の発表によると、2018年第三四半期の運用で14兆円の損失を出したと発表していいます。その理由としては、2018年の後期、株式市場が大幅に低下したからだそうです。
株式市場と年金の因果関係について、この年金を運用する機関が、株式で運用する資産割合を増やしたことから密な関係となりました。
アベノミクスにより日経平均株価が上昇して株高を目指す過程から、年金の運用を国債から株式投資に変更してきたものの、国内株式では7兆円の赤字、海外株式では6兆円の赤字となってしまったことです。皮肉なことに唯一黒字を出したのは国内債券であり4200億円ほど。株式投資にシフトしたのは大きな誤算であったかもしれません。
運用資産額は150兆円ほどあり、今回は10%の損失なので年金制度が破綻することはありませんが、かなり痛い損失には間違いありません。また、これ以上の株価下落はさらなる運用資産の損失となってしまい、私たちの年金が少なくなる可能性もあります。
日経平均株価、株価が下落することで損を抱えるのは投資家だけではないのです。まったく株式取引に無縁な方々にも影響する話ですので、もっと国民が日経平均株価について興味をもって頂き、他人事のように思わないで欲しいと思います…
トランプ大統領来日が一つ目の試練
米中関係が悪化して、日本の将来が危ない3つの理由について説明しました。
ファーウェイ問題をはじめ、国内の物価上昇の可能性、年金の資産運用が株価の推移に依存していることなど、日本という国や経済が世界と親密な関係にあることがよくわかるかと思います。
ここからは、仮に米中関係が決着がつかず、貿易戦争が先送りされる場合についての分析です。実は先送りは日本にとって最も宜しくない事態でもあるのです。
大統領選を意識して、何か収穫を求めるトランプ大統領が標的を変えてくる可能性もあります。
その矛先は、日本の自動車関税とも言われているのです。最も避けたいシナリオは現状の自動車関税2.5%が25%に引き上げられる場合です。その場合、自動車産業は巨大な下請けがぶら下がっているのでGDPが0.2~0.3%ほど下がるとされています。
それゆえに、5月の日米首脳会談は、かつてないほどの緊迫感のもと行われることとなり、日本の将来の命運がかかっていることからも、安倍総理大臣率いる政府が最高級のおもてなしをご用意していることをご存知でしょうか?
そもそも、今回のトランプ大統領来日は、今までの来日と訳が違います。2017年11月にトランプ大統領が来日したときは、「公式実務訪問賓客」という扱いで、今回のトランプ大統領はさらに上のおもてなしにあたる「国賓」としての扱いです。
年に1~2回しか実現しない「国賓」でありながら、さらに令和最初に「国賓」としてトランプ大統領を迎える意味は非常に大きいメッセージがあります。まさに米国と日本の関係が強固であることを世界にアピールする場でもあるのです。
それを踏まえた上で今回のおもてなしにも力が入っている訳です。
5月26日に来日したトランプ大統領は4日間の滞在で、大相撲観戦・ゴルフ・天皇皇后両陛下との会談など様々なおもてなしを受けます。国賓の「おもてなし」としては過去最高の内容となるようです。
それを経て、月曜日に安倍総理大臣と首脳会談を行う訳ですが、日米貿易協定交渉が最大の焦点です。過去最高級の「おもてなし」により日米関係の信頼関係を強めたい背景には、上記の自動車関税のような日米貿易問題も見え隠れするのです。
激化する米中関係の中で、株価が低迷しております。そんな中でも株式投資で成功し稼ぐ方法については下記をご参照ください。