黒田総裁の任期は2023年まで?
2018年4月、当時の安倍内閣が黒田東彦氏を日銀総裁に再任。任期は2023年4月まで「5年間延長」となりました。実は、在任期間が5年を超えたのは60年ぶりのことであり、山際総裁以来となります。
歴代の日銀総裁で最も在任期間が長かったのは「法王」の異名を持つ「一万田尚登氏」です。総裁在任期間が3115日(約8年6カ月)で、戦後日本の独立や経済復興のために尽力されました、「非常時の総裁」!
戦後初となる「緊急事態宣言」を発令した今回の新型コロナウィルスもまさに「非常時」ですから、黒田総裁も一万田元総裁に重なりますね。今年の10月で黒田総裁の任期が歴代1位となります。
気になるのは、この法王の任期記録を黒田総裁が塗り替えるのか?!ということ。当然ながら黒田氏本人は任期満了の78歳まで務める!と意気込んでいます。しかし、8か月後に何が起こるのかなんて読めないこの世の中ですよ・・・
例えば2020年2月にですよ、安倍総理が内閣総理大臣を任期途中で辞退すると予想できた人はいなかったでしょう。2019年8月に新型コロナウイルスによる緊急事態宣言を予感できた人は?
なので黒田総裁が任期満了に意欲的でも万が一、何かしらの理由により辞任する可能性もある訳です。今年でなくとも来年・再来年と2023年まであと2年少しあるので何が起こるかは未知数・・・
1つの「ウワサ話」として「一万田氏への配慮による途中辞任」という話もあったりなかったり。あまり根拠のない都市伝説ですからね。今の非常事態に、配慮などしてはいられないと思う訳です。※と言っても、この話はよく耳に入る噂なので実は怖い・・・
逆にいえばそのような噂が出るくらい、「一万田法王」の任期を超えるということは素晴らしい偉業でもあり、私たちの想定を超える重圧が黒田総裁にのしかかっているのではないでしょうか。黒田総裁には任期満了を成し遂げて欲しい!
今回は、そのような黒田総裁の任期中の辞任後の話や日銀の動向について考察していきたいと思います。※あくまで仮説・諸説としてお聞きください!
日銀のETF買い!動向に変化?
最近、注目されているのが日銀の動向です。「金融緩和策」として実施している異次元の「ETF(上場投信)買い」について、2月18日、株価上昇時には買い入れを抑制することを明確化する検討に入ったそうです。
2016年のイギリスがEU離脱問題時に、日銀はETF購入枠を年6兆円としたことで日本の株式市場を買い支えする意向をとりました。その後、新型コロナウィルスの影響を懸念して上限枠を倍の年12兆円までに上限を引き上げた経緯があります。
新型コロナウィルス対策として日銀の実際の購入額を見ていきますと、コロナショックで日経平均株価が16000円を付けた2020年3月、そして4月には年12兆円を上回るペースでETF買い入れをしています。
ところが、最近では買い入れ額が減少していますね。2021年2月は日経平均株価が3万円を回復する中、2月18日現在までに通常のETFは買っておらず合計156億円購入程度です。
これまで日銀介入が「株の買い支え」となり、日経平均株価が3万円を超える買い圧力にもなりました。しかしコロナ禍で倒産企業は相次ぎ、失業者は8万人を超えるなど明らかな「不況」状態です。
これでは、あまりに日経平均株価の値動きと「実体経済の状況」が乖離し過ぎています。そのような現状からも日銀が「官製相場を装っている!」などの批判をされないための対策を、今回の「抑制」が担っているそうな。
ということは、今の日経平均株価は高値圏で推移しているのは日銀も認めているということですね。市場もそれを察知してからかリスクを懸念して2月18日と2月19日は日経平均株価は下落しました。
日経平均株価の大暴落はあるのか?
黒田総裁が2023年までの途中で、辞任する可能性はないとは言い切れませんが、もし仮にですよ?途中で辞任することがあれば日経平均株価にどのような影響を与えるのでしょうか?
まずは黒田氏をサポートしている副総裁について押さえておきましょう。若田部昌澄氏と雨宮正佳氏が就いています。とくに雨宮正佳氏が次期総裁になる可能性が高いとされていますね。
黒田総裁の前の日銀総裁を務めた「白川氏」はリーマンショックや東日本大震災、欧州債務危機を乗り越えた功績は素晴らしいですが、金融緩和に消極的な人物でした。白川氏が辞任された時は、日経平均株価が3%上昇したそうな・・・
黒田総裁「ブラック政策」と白川総裁「ホワイト政策」として対照的なのです。後継者の可能性が高いとされる雨宮氏も、どちらかと言えば「ホワイト政策寄り」とされています。
となれば、仮に次期総裁が雨宮氏であれば金融緩和が抑制される可能性が高いですよね。最近、日銀が高値圏でのETF買いを抑制する検討に入ったように、なにか水面下で動きがあるのではないかと思惑が働いてしまいます。
アベノミクスを牽引してきた安倍総理が辞任しても安倍総理のDNAを引き継いだ菅政権・黒田総裁が指揮を執っていたので日経は最高値を更新、黒田総裁が抜けるとどうなるのか。白川氏と逆で一時日経平均株価は3%下がるのか・・・
もちろん「日経大暴落」の可能性が濃厚ですが、此方に関しては一概に言えません。例えば、アメリカでは金融緩和に積極的だったトランプ大統領が辞任して、消極とされるバイデン大統領が就任してもダウ平均株価は上昇し最高値を更新し続けています。
つまり日銀の介入がなくても、市場がポジティブになるかどうかで日経平均株価は上下しそうです。最終的に市場の行く末を決めるのは「投資家心理」になるのでしょうね。※以上、たそがれちゃんの妄想でした!