なぜここまで売られてしまった?
日経平均株価が2万円をあっさり割ってしまいました。よりにもよって、本日は12月25日…まさにブラッククリスマスとなってしまいましたね…投資家にとっては不安が続く毎日かと思います。
-1000円を超える下落となり、本日の終値は19155円、ほぼ安値で引ける形になりました。日足・週足を見ましても反発していく様子が見て取れません。2018年始めの株価から、今年終わりの株価が低いとしたら7年ぶりの出来事です。
2008年10月、リーマンショックで日経平均株価は11456円から6994円まで4000円近く下落しましたが、今回の下げもリーマンショック級の下落と言っても過言ではありません。今月、12月初旬から既に3500円近くの下落です。
短期間でここまで下落するのは異常な状態です。下落要因となっているのは世界情勢の悪化と景気後退懸念、下落傾向にあるアベノミクス相場についてでしょう。
世界情勢では、米中の貿易摩擦を中心に、アメリカの利上げ問題、ドイツ銀行に見られる欧州の金融危機、原油や為替円高の影響、トランプ大統領の言動問題など、依然と不安要素が残っている状態です。
また、日経平均株価は米国のダウ平均株価に釣られやすいのですが、ダウ平均株価の下げ相場を主導したのは中国なのではないかという話もあります。
米国の長期金利が上昇した件についても、米国の国債を中国が売っている可能性があり、やはり米中対立が背景にあるのだそうです。
とくに、「次世代通信技術5G」の覇権争いを意識した米中、お互いの睨み合いは過熱しており、Huaweiの幹部逮捕劇を皮切りに米中関係をさらに悪化させていますよね。
先日は、マティス国防長官辞任発表があり、トランプ大統領の暴走を阻止する「抑制剤」が失われることで、米国第一主義が加速するのではないかという懸念が発生しました。
日経平均株価は、世界情勢に大きく左右されてしまうため、このような懸念材料は株価低迷を加速させている訳ですね。
そして先物を見ていましても、外国の市場が休場の時は、先物も非常に穏やかな動きを示しており、いかに海外勢が売りを誘っていることがよくわかります。
つまり、世界情勢の悪化や景気後退懸念に乗っかり、「空売り」が容易にできてしまう日本の市場が株価暴落の大きな原因のように感じます。
今後の日経平均株価はどうなる?
今後の日経平均株価はどのような推移を迎えるのでしょうか。もちろん、誰にも予想はできませんが、各アナリストは弱気な予想をしている方が多いです。
多少の反発を繰り返しながらも、今後も下落が続く可能性があると考えるアナリストが多く、ボーダーラインとなる節目は日経平均株価18500円付近とのこと。
株価18500円付近には大きな抵抗線があるため、ここが「押し目」となり、上昇に転じるか、突き抜けて下落していくかが大きな分かれ道になるとのことです。
しかし、株価20000円の節目もあっさり割れてしまい、とくに反発も見られなかったことからも、この「抵抗線」は絶対的な壁と安易に捉えてはいけません。
少なくとも世界情勢に左右されやすいため、現状の解決されていない問題が山積みで不透明な環境では、なかなか弱気相場から抜け出すこと難しいです。
ただ、下落相場で株を抱え込むと冷静さを失いやすいのですが、落ち着いて考えてみると、今の日本経済は衰退している訳ではありません。また、日経平均株価の20%以上の下落があったとはいえ、下がり続けるものでもありません。
もし、今の現状で多額の含み損を抱えており、身動きができないことから損切や追証に迫られているとしたら、次の項目を参考にしてみてください。
損切する前に、読んで欲しいこと
投資をしていましたら、どうしても損切が必要な場面は幾度もあります。信用で取引されている方は、追証も意識していることでしょう。
現物取引が理想なのは承知ですが、株価が下落しているときに、含み損を補填しようと資金が尽きていて信用取引を利用してしまう方もいるのではないでしょうか。
しかし、株価が大きく下がってしまい、含み損が膨らむと損切がますますできなくなることがあります。そのうち回復することを願って、所持し続ける方も多いです。
そのまま所持することで含み損が膨れることもあるかもしれません。
もし、「損切」に悩んでいる方がいましたら、下記の内容を少しでも参考にして頂けたらと思います。
まず、国内事情から分析していきます。アベノミクス終焉の話も出ていますが、来年に選挙を控えている与党としては、このまま株価下落を黙って見ているわけにもいきません。支持率に大きく響きます。
また、「リーマンショック級の下落」があった際は「消費税増税」を見送る話もあることから、なんとしてもこれ以上の株価暴落を抑えたいところです。
株価下落を防ぐために、日銀が買い支えをすることが考えられます。その時に少しでも反発した際に損切をするというのも、含み損を減らす一つの方法です。
次に、損切する銘柄の吟味もする必要があります。所持している銘柄の中には切り捨てて良いと判断できるものと、これは切り捨てれないと思う銘柄があるはずです。
銘柄の吟味について
私の場合、含み損を抱えている銘柄の中に、今回の下落を受けて利回りが5.8%を超えた銘柄があります。この銘柄についてはこのまま所持で考えています。今のところ業績もそこまで悪くないので減配の心配はありません。売るとしたら、業績悪化もしくは減配の時です。
正直、銀行に預けているよりは利回りが良いと思い、株価が下落するならさらに買い増ししていくつもりでポジティブに考えるようにしています。
また、積極的にベンチャー投資を行う企業の銘柄を所有しておりまして、投資先の時価総額(会社予想ではありますが)が、株価下落を受けてこの銘柄の時価総額を超えている状況です。
心の支えとなっているのはこの銘柄は、自社株買いを会社がしてくれていることですね。将来的に株価が上昇するビジョンであるからこその自社株買いであると自信につながります。
ということで、こちらの銘柄についても、売られ過ぎと判断して損切せずに所有していこうと考えています。もちろん、現状かなりの含み損です笑
残念ながら、一部の銘柄については損切を考えています。業績がいまいちなもの、今後のテーマとして物色されにくいのではと思われる銘柄については外していく予定です。
その場合は、撤退という意味での「損切」ではなく、資金を他に回すために損切と捉えるようにしています。
「損切」によって資産を失うのは非常に怖いですが、それでも次に繋がる「損切」であれば精神的に落ち着いて納得して気持ちを切り替えることができます。
苦しい投資家の方も多いと思いますが、損切する前に、ぜひ手持ちの銘柄の見極めをしてみてください。自信がない場合は、少しづつ損切する方法もありますから、様々な手段を念頭に、最適なものを選びましょう。
最後に、投資は自己責任でお願いします。ご自身の判断でお決めください!
お互いにとって良い結果になりますように祈っております。もし、気になることや相談などありましたらお気軽にメールでお問い合わせください。