株式投資の世界において「上場廃止」はつきものです。とくのコロナ禍では業績不振な企業が増えてしまい赤字拡大や債務超過に陥る企業も。そして上場廃止となる銘柄は時にマネーゲーム化することがあります。
今回、上場廃止となったオンキョー。どのような経緯で上場廃止に至ったのか、当時の板の様子や今後の株価はどうなってしまうのか・・・詳しく見ていきましょう!(`・ω・´)
ONKYO〈6628〉が7月末で上場廃止見込み!
音響老舗でpioneer(パイオニア)ブランドとしても認知度が高かったオンキョーホームエンターテインメント〈6628〉が3月31日に上場廃止を発表されました!正確には「上場廃止見込み」という位置づけです。
発表があった3月31日の夜間取引(PTS)では株価下落率「−74%」の5.6円で取引を終え、一時は3.5円まで売られる場面も・・・いやぁもし保有していたら一夜で爆損です(´・ω・`)
ちょうど一年前の2020年3月、オンキョーは債務超過だったので上場廃止にリーチがかかっていました。残りの一年で結果を出さないといけない状態だったのですね。
2020年の9月でも「債務超過の猶予期間入りに関するお知らせ」が適時開示されていたので、2021年3月31日が猶予期限であることは株主も知っていたみたいですね。
ちなみに、こちらがONKYOの経常利益の推移グラフです!見ての通りで、2014年より7期連続の赤字!こんなに業績が悪かったとは思いませんでした・・・
ONKYO製品ってイヤホンやら補聴器、シアターサウンドに適したレシーバーなど商品ラインナップが特化されているので、正直ここまで業績が悪かったとは・・・
だってpioneerとかかなり有名なブランドじゃないですか!この業績ながらも良くぞここまで頑張って上場維持・・・本当にお疲れ様でした(´・ω・`)
私も学生の頃にイヤホンを購入したりお世話になったなぁと思いながらも、今使っているものはSONYのイヤホンですし、スピーカーも海外製のものですから、オンキョーのとっては競合が強くて苦戦が続いていたのでしょうね。
他の音響機器メーカーを見渡してもケンウッド・AIWA・ビクター・DENON・ダイアートンなど去っているので業界関係者は察知していたのかもしれませんね。
そういえばONKYOは「ごちうさ」ともコラボしていたんですね!他にもアイマスとコラボしていたりサブカル好きな層からは需要があったのではないでしょうか。
オンキョーさんも今回の債務超過を解消すべく、試行錯誤されて交渉していたみたいですよ。1月には投資ファンドEVOの新株予約権で12億円、3月には取引先など12社の持つ債権を株式に切り替える「債務の株式化」で約21億円分の債務を圧縮することに成功。
それもむなしく、東京証券取引所が指定した3月31日までに債務超過を解消することはできず、2期連続の債務超過ということで上場廃止を免れることができませんでした。ここまで交渉を続けたのに何があったのでしょうか。
SNSではオンキョー被害者の会?はめ込まれた?!
そんな中、とある記事が投資家の間で物議を醸しています。これはN〇Kが3月30日に記事にしたものであり、オンキョーが債務超過回避を目指しているといった内容でした。
経緯として2021年1月には投資ファンドEVOFUND(エボファンド)から12億円の新株予約権の権利行使がありましたが、この投資ファンドが3月には新株予約権の行使しなかったんですよね。
この件をオンキョー側は事前に把握できていたのではないかという推測ですね。そしてN〇Kの記事が結果として投資家の買い圧力を高めて煽る形になってしまいました。
事前に把握していた、意図的なはめ込みであったかどうかについては不明ですが、それまでの企業のIR連発などたしかに違和感は感じてしまいますよね。当然ながら株価も反応しました!
この記事の翌日31日には思惑で株価も急騰、29%近く上昇していましたから、いかに投資家の皆さんが上場廃止の回避を期待されていたのかがよく伝わります。そしてこの日の取引市場後に上場廃止IRが出て、夜間では株価「−70%」の大暴落!悲惨・・・
うーん、それなら21億円もの金額を出資した12社とは一体なんだったのか・・・上場廃止を回避するための出資ではなさそうですし、すごく気になりますね。EVOが行使しなかったのは何が狙いだったのか・・・
ネットのとある噂では既存の株主を一度リセットし、新しくONKYO再建計画があるのではないか、そのための新しい株式取得ではないか・・・との説も。ただの噂です。
このように今回の上場廃止では、前日に債務超過回避しそうな内容をN〇Kが記事にして、この記事を機に投資した人が多くいた事から被害者が続出、はめ込まれた!などともSNSで話題となっている訳です。
今後の上場廃止回避の可能性は?
あの記事が出た翌日、株価は29%近く上昇してからの「上場廃止」とのことで、債務超過回避の可能性を信じて購入された方はもらい事故でしたね。もし私も以前からこの銘柄を触っていて、この記事を見ていたらホールドして持ち越していたと思います・・・
さて、続いては上場廃止回避の可能性について探ります。今回の上場廃止はあくまで「見込み」とされている点、あと残りの23億円の債務をどうにか解消できたら上場廃止を回避できるのでは!?という意見も見かけます。
例えば、投資有価証券の売却で精算、業績不振や赤字が新型コロナウイルスの影響によるものであれば、債務超過の猶予期限が延長される可能性など挙げている方がいました。
しかし、投資有価証券の売却を考慮しても上場廃止回避ができていない状況を鑑みても現状の解消は困難だったのではないでしょうか。
そしてオンキョーや東証に問い合わせされた方によると、今回の債務超過においてコロナ特措法債務延長の特例は適用外となるそうです。あとは資金提供者を待つか、自社努力で23億円の債務解消or業績回復見込みを示せるか。
仮にホワイトナイト、救世主が現れたとして資金提供を受けたとしても3月31日時点での債務超過が上場廃止基準に抵触されてますから、上場廃止を回避できる可能性は比較的に低いです。
今後のONKYO株価は?マネーゲーム化するのか?
仮に上場廃止するとした場合、今後の流れについて簡単にまとめてみましょう。オンキョーは2期連続の債務超過により上場廃止基準に抵触するとして3月31日より監理銘柄(確認中)に指定されています。
2021年6月25日に開催予定の定時株主総会後に提出される有価証券報告により、東証が内容を確認してから1カ月ほど整理銘柄(上場廃止確定)に割り当てられることになります。
それまでの期間は株の売買は可能です。整理銘柄になってしまったら株価1円を目指して下落していくことが多いのですが、監理銘柄期間であればマネーゲーム化する可能性は十分にあります。
ただオンキョーは発行株式数がとにかく多いので1円上げるだけでも大変そう。そんなに暴騰はしないかもしれないですね、せいぜい株価が上昇しても10円~20円くらいでしょうか?
何か思惑が働けばさらに株価が上昇する可能性はあります。しかし上場廃止を回避するのは難しそうですし監理銘柄・整理銘柄の株を取引されるのは大変危険です!
自分の資産は大切にした方が良いので私はお勧めしませんが、マネーゲームに参加される方はくれぐれもご注意を!※投資は自己責任でお願いします!