一時は株価4365円を付けた武田薬品ですが、2週間近く株価が下落し続けています。日経平均株価が3万円を突破する中、武田薬品は下降トレンド、これでは投資家も残念な気持ちですよね。
かといって日経平均株価の下落にもしっかりと反応し、本日に至っては株価「−3.23%」の下落!これは何か武田薬品事態に要因がありそうです。株価が急落した理由についてまとめてみました。
武田薬品の株価が下落した理由①
まず1つ目の理由は配当金権利落ちによる下落です。今年の権利落ち日は3月30日なので3月29日の終値は4162円でしたが、翌日は株価136円下落の4026円からスタートしました。
武田薬品の配当金は180円なので当時の利回りでは4%を超えています。これは銀行株の利回りに匹敵する高配当なので権利落ちでの株価下落は致し方ないですね。
余談ですが3月29日の終値で購入して配当金の権利をGETし、翌日の朝一に成売したら180円の配当金を獲得しつつ、−136円の損失なので44円の儲け!と考える方もいますが、実際は配当金も20%の税金が引かれるためそんなに得しないのでご注意を!
株価チャートから権利落ちの後も下がっている様子なので、どうやら配当金の権利落ちだけではなさそうですね。他にも株価が下落してしまった要因がありそうです。
武田薬品の株価が下落した理由②
4月2日、武田薬品がコロナ新薬の開発を断念したという発表がありました。買収したアイルランド製薬大手シャイアーの技術を活用して、コロナ新薬の臨床試験を行っていましたが評価項目を達成できなかったとのこと。
研究内容は、回復した患者の血液成分から作る薬で「血漿分画製剤」に着目し、CSLベーリングなど12社とコロナ新薬の共同開発や研究を進めていました。血漿(けっしょう)って何?って方もいるかと思います。
詳しく説明しますと、血液は「血漿・血小板・赤血球」の3つに分類することができこれらを血液成分と表現しています。「血漿」の中にグロブリンというものがあり、これが免疫に大きな役割を果たしています。
この高度免疫グロブリン製剤の臨床試験において、新型コロナウイルス感染症に対する有効性が認められなかったという訳です。ワクチンより新薬に期待していた投資家も多かったでしょうから、翌日の株価が落ち込んた要因と思われます。
武田薬品の株価が下落した理由③
4月6日、ゴールドマン・サックス証券が武田薬品工業のレーティングを5000円→4300円に下げました。さらに5段階評価でも「Buy」から「Hold」に格下げされています。
このレーティング格下げとコロナ新薬の開発断念がタイミングとしてピッタリですが因果関係は不明です。日経平均株価の下落も重しとなり「−3.23%」の下落となりました。
下降トレンド脱却のイベントとして本日は他の薬品におけるパイプラインについての説明もしていますし、武田薬品にはモデルナ製のワクチンという材料が残っています。
日本国内でもワクチンが遅れている状況ですし、「まん防」に取り組む大阪では過去最多の1日700人を超える感染者を出すなど感染者拡大中ですから、モデルナ製ワクチンの承認可能性は高まりそうですね。