閉店が相次ぐTSUTAYA
最寄りのTSUTAYAレンタルショップが2018年11月30日をもちまして閉店することになりました。
休日によくレンタルしてましたので、もはや生活の一部になっていました。
心に残る素敵な作品に巡り合えたのも、この店舗のおかげであり、たくさんの思い出が蘇ります。
店舗がなくなることを思うと心にぽっかり穴が空いたような気持ちになりとても寂しいです。
同時に、レンタルに行っても店内はお客さんが数人くらいしかいなかったことを考慮すると、業績不振から閉店もやむを得ないのかなと感じてしまいます。
実は今年に入って、最寄りのTSUTAYAだけでなく、市内や市外のTSUTAYAも軒並みに閉店しているのです。
2017年だけでも、70店舗以上のTSUTAYAが閉店しました。
10年前、TSUTAYA全盛期の時代には店舗が蔓延っており、まさかTSUTAYAが閉店してしまうなど想像もできませんでした。
TSUTAYAはなぜ閉店に追い込まれていったのでしょうか?
GEOとの価格戦争
レンタルビデオ業界でTSUTAYAの最大のライバルはGEOです。
GEOはTSUTAYAに対抗するために準新作は80円、さらに旧作は50円でレンタルできるキャンペーンを打ち出すなど「低価格」で挑んできました。
お互いの低価格競争は引くに引けない状況になってしまい、最初はキャンペーンで低価格を期間限定で開催する程度でしたが、低価格料金を繰り返した結果、ついに50円にまで陥りました。
TSUTAYAは2010年ごろにDVDレンタル4枚で1000円キャンペーンを始めたのですが、当初は新作が2枚までという条件でした。
ところが、低価格競争に併せて現在は新作4枚でもOKに変更となっております。
価格競争を繰り返した結果、TSUTAYAのレンタルショップは薄利に頼る形となり、業績が少しづつ落ち込んでいったのです。
しかし、店内の様子から来客数も減少しています。
本来、低価格になったのであれば店内の人数は増加して多いはずですが、レンタルサービスから足が遠のいてしまう要因が他にもありそうです。
動画配信サービスの脅威
直接店舗に行かなくても、家にいながら見たい作品を選び、動画を楽しむサービスに顧客ニーズがシフトしつつあります。
煩わしい返却や期限を気にすることもなく、スマホやタブレットからでもどこでも視聴できる利便性が人気となりました。
TSUTAYAもポストで返却できるシステムなどを採用しましたが、動画配信サービスの利便性はその比ではありません。ポストにすら行かなくても良いのです。
また、レンタルショップ最大の問題点は在庫なのですが、動画配信サービスは在庫切れという概念すら無視してしまいます。
そして、どの動画配信サービスも定額制プランを用意しており、こちらも低価格で楽しむことができます。
動画配信サービスの歴史は10年以上前に遡り、
2005年、アメリカでAmazonが有料会員制動画配信サービスAmazonプライムを開始し、2007年に日本にも上陸しました。
2011年にはHuluが日本での配信サービスを開始し、当初は月額1480円だったのが2012年には月額980円に値下げしました。
2015年には配信サービスが猛威を振るいました。他の配信サービスと同様、オリジナル独占番組を所有しており、TSUTAYAで視聴することはできません。
前向きな店舗削減
このように、店舗型から配信サービスに顧客がシフトしたことが、顧客を失った最大の要因と考えます。
店舗の閉店が相次いでおりTSUTAYAの今後が心配でもありますが、
TSUTAYAも時代の変化に併せて、事業を多角化させています。
レンタル事業だけがTSUTAYAではありません。
店舗を失ったとしても「TSUTAYA」が潰れたわけではありません。
閉店するのも資金が必要であり、複数店舗の削減は相当な経費が発生します。
相次ぐ店舗の縮小は将来に向けた戦略でもあるのです。今後もTSUTAYAの挑戦に期待です。