NTTを超える過去最大のIPO!
2018年12月19日は歴史的な日となりましたね。
1987年2月9日、約2兆2000億円の吸収金額をもって、新規上場した「NTT(9432)」の記録を超えるIPOが誕生しました。
ソフトバンク・グループ(9984)の100%子会社であるソフトバンクが公開規模価2兆6000億円で東証一部に上場。
29年ぶりに更新する超大型新規上場案件に、投資家の皆さんだけでなく世間が注目しました。
2018年6月にメルカリが上場するなど、今年は大型IPOが話題となった年でもあります。メルカリは公開価格3000円に対して初日に6000円を付けましたからね!
その反響もあってか、購入希望者が多かったのではないでしょうか。メディアにも取り上げられ、テレビCMでも「ソフトバンク上場」が連日流れていましたね。
私の証券会社は、ソフトバンク株を取り扱ってなかったもので、他の証券口座を開設してまでの購入は考えていませんでした。
結果としては、IPOに参加できなたったことは救いであったようです…
本日12月21日の株価終値は1316円と、未だに公開価格1500円に達していない状況です。ということは、IPOに参加された方は10%以上の損失を抱えている状態ですね…
上場初日に付けた高値1464円超えていかない限り、手が出せないという方も多いのではないでしょうか?それからINしましても、公開価格で購入するよりはお安いですからね。
さて、今後のソフトバンクの株価推移はどのようになるでしょうか?株価は上がるの?下がっちゃうの?
株価を左右するのは、「要因」「思惑」「材料」ですから、現状どのようなものがあるのか分析してみたいと思います。
株価は今後どのように動く?
株価を変動させる要因は、「市場全体の要因」と「個別要因」がありますが、市場全体の要因には、「市場内部的要因」「経済的要因」「経済外的要因」と区別することができます。
ここで、とくに意識しないといけないのが、「市場全体の要因」です。
というのも、「個別要因」に含まれる業績やIR情報といった「材料」はもちろん重要なのですが、このような「材料」は頻繁に出てくるものではありません。
とくに日本株は世界情勢や市場の動向に過敏に反応する傾向があり、内部的ものより外部的要因における「思惑」が発生しやすいのです。
それでは、ソフトバンクの「市場全体の要因」を見ていきたいと思います。
ソフトバンクに逆風の嵐?
社会的な問題として少子高齢化で人口が減少していく中、現在のソフトバンクがユーザー数を今後も「獲得」していけるのかという懸念ポイントがあります。
そして、ユーザーを「確保」し続ける点も重要です。12月6日に受けた大規模通信障害の影響で、1万人から2万人のユーザーが解約していたことをソフトバンク宮内社長が発表しました。
一人あたり、月にスマホ料金が6000円と見積もったとしても、1万人ユーザーが減ると月に6000万円の売り上げ減少ですからね。
実際のところ、スマホ料金に1万円超えている方もいるでしょうし、2万件の解約で計算するとさらに売り上げが減少する事態です。
一度、他社のキャリアに乗り換えられると、数年くらいは、なかなか他への移動は考えられないため、ソフトバンクとしてはかなりの痛手となったはずです。
それを判断する材料をいくつかご紹介したいと思いますので、ソフトバンクの今後の動きを推測するうえでのご参考になさってください。
キャリアと言えば、楽天モバイルが携帯キャリア事業に参入し、来年の10月より、MNO(移動体通信事業者)としてサービスを展開します。
今まで、MVNO(仮想移動体通信事業者)であった、楽天モバイルですが、大手キャリアへの参入は、少なくともソフトバンクのユーザー数にも影響を及ぼしそうです。
また、政府は携帯料金を見直しするように大手キャリアに呼びかけた点も気になりますね。ドコモは「4割値下げ」を宣言しています。
ドコモが値下げに踏切り、「新料金価格プラン」を用意すれば、必然とauやソフトバンクも値下げに踏み切りますね。
こうした値下げ合戦により、通信事業からの収入が危ぶまれているのです。「値下げ」はユーザーにとっては魅力的ですが、通信業界自体が冷え込むきっかけになるかもしれません
まとめ
- 少子高齢で人口減少の懸念
- 通信障害による解約など信頼の問題
- 楽天モバイルという新たな競合の誕生
- 政府の「携帯料金値下げ」圧力による売上減少の懸念
いかがでしたでしょうか?
挙げだしたらきりがないのですが、現状ではこのような懸念要素があります。
成熟しきった「銘柄」でもあるため、メルカリのように、今後の成長への期待がもてず、買いが入らなかった現状はあるかと思います。それが「株価」という結果で現れたのではないでしょうか。
とはいえ、常に新しい挑戦を繰り広げ、「投資企業」へと変貌しつつあるソフトバンクグループの子会社な訳ですから、「通信事業」だけでなく、他の事業へと進出していく可能性は高いです。
「通信事業」だけでなく、新しい事業へと挑んで、成長していけるかどうかが、今後のソフトバンクの勝負となりそうです。