菅総理がGOTOトラベルの見直しを発表!航空株価はどうなる?
東京での一日の感染者が500人を超えて「コロナ第3波」が到来している危機を受け、感染者拡大を防ぐために菅総理がGOTOトラベルの見直しを発表しました。ただ、「いつから、どの地域が、どのくらいの期間なのか」など具体的なことは発表されていません。
当初はGOTOトラベルの継続を考えていた菅政権、エヴィデンスとしては今までに延べ4000万人が利用したGOTOトラベルキャンペーンですが、このキャンペーン利用者で感染者の報告は173名程度と少ないから。
ですが、東京の感染拡大が過去最高になり歯止めがきかないことや医師会が「GOtoトラベルから感染者が急増したというエヴィデンス(根拠)はなかなかはっきりしないが、きっかけになったことは間違いない」と医療崩壊を懸念したこともあり、政府内で動きがあって急遽一時停止を発表した形です。
数あるコロナ支援対策「GOto」キャンペーンの中でも経済効果の高い「GOtoトラベル」は菅政権肝いりの政策ですから一時停止は苦渋の選択だったのではないでしょうか。
ANAやJALなど航空株は仕込み時なの?キーワードは○○!
ANAについての分析!〇〇に注意!
10月27日に発表した経常損益は「̠̠-2686億円」と大幅赤字であり、通期での経常損益は「-5000憶円」を想定しているとのことです。政府の観光支援策も寄与して国内線は底打ちしましたが、国際線においては当初計画の8割以上の減便を続けるなど事業回復しなかったのが要因のようです。
また、毎年3000人前後の新卒採用をしてきたANAですが、来年度は新卒採用3200予定だったところ600人に抑えて再来年度はさらに減らして200人程度の採用に減らす計画とのことでコロナウィルスの影響が雇用にも影響してきています。
また、資金がショートするのではないかと懸念が生じていた矢先に11月21日にANAホールディングスが公募増資で資金調達する方向で最終調整しているとの報道がありました。2000億円の規模で想定しており来週にも決議する方向です。ただし、ANAが正式発表したわけではないので今後の流れについて注視しましょう。
レーティング情報では 三菱UFJモルガン・スタンレー証券がANAの目標株価を3000→2700円に変更しています。このレーティング発表は11月19日のため、GOTOトラベルの見直し発表や増資懸念が織り込まれていないレーティングの可能性がありますからまた変更される可能性が高いです。
JALの分析!○○は織り込み済みも割高?
JALは既に増資発表されていて、ANAのように増資懸念はありません。ですが、増資価格が割高なのではないかと考えてます。理由としては、増資発表前のJALの株価は1843円だったのですが、今回1億株の増資をするにも関わらず、増資価格は1916円とのこと。1億株ほど希薄化するのに、増資発表前より増資価格が高いのは気になりますね。
では、JAL適正株価はどのくらいでしょうか。簡単に計算してみました。
増資公募価格:1916円で、現在のJALが発行している総発行株数は約3憶3700万株なので時価総額は約6450億円となります。
1億株の増資ですから総発行株数は約4億3700万株になりまして、時価総額約6450億円ですから「6450憶円÷4億3700万株」で「1株当たりの株価は約1475円」となります。
あくまで理論株価であり、1億株増資した場合の希薄化を計算した株価が約1475円です。ここまで株価が下落しなかったとしても株価1500円くらいが妥当なのではないかと考えてしまいます。よって株価1916円はまだまだ手が出せないのです。
航空株の統括まとめ
航空株売買の判断材料になる1つのキーワードとして「増資」があり、今回は「増資」の観点からANAとJALを比較して分析してみました。既に増資発表しているJALと今から増資懸念があるANAですから、もしANAの株を購入するのであれば増資発表内容を見極めてからインされた方が良いと思います。
そして、他にも売買を検討するうえで参考になる外的要因があります。判断材料になるのがワクチン開発です。国外の移動が業績に大きく関わるのでワクチン報道に左右されやすいです。WHOの発表では3カ月おきにワクチン接種をしないと抗体ができないことやファイザー製薬のワクチンが米国内一般人に普及していくのは来年の4月以降、日本は6月くらいと言われていますからオリンピックまでに間に合うかはギリギリなところ。こうしたネガティブな報道もあれば、ワクチン承認のニュースが増えていくポジティブな報道で株価が大きく推移します。
さらに考慮すべきテーマがインバウンド効果です。仮に2021年東京オリンピックを開催したとしても、来日できるのは一部の国の選手団のみで無観客の放送に限定され来日外国人の増加は期待できないのではないでしょうか。また、コロナウィルスが数年後消えたとしても、中国人や外国人が以前のように大挙して日本に訪問することは減るだろうし、これまたインバウンドの恩恵は期待できないと想定されます。
まとめると、個人的には航空株はまだまだ買いで推奨できない状況です。強いて言うなら増資懸念があるANAよりは既に増資発表をしたJALの方が買いやすい印象があります。ところが、先述の通りでJALの増資価格は1916円と割高で、私の中では適正株価は安くても1500円ですから今の株価は手が出ません。
JALの株価が急落して一時的に1700円~1800円くらいまで大きく下落した場合、リバを狙って短期的にインをするのは良いかもしれませんが、長期的な買いでインの狙っている場合は算出した通りで株価1400円 ~1500円くらいです。
世界の航空会社を見ても米国デルタやユナイテッドエアラインなど資金調達が顕著です。ファンダメンタル分析でいっても借金発生など資金繰りが大変なため増資は必須かもしれません。今は耐えて業績が回復した場合、現状の株価は底値になる可能性もあります。
航空株が気になっていてインしようか迷われている方は、以上をご参考にしてみてはいかがでしょうか。増資した以上、しばらくは倒産の危機はないと言えるでしょうし、長期的には買いとなるでしょう。これが最後の増資となることを祈るばかりです。
株価が想定理論株価まで下落したりポジティブな材料が出て株価が上がるタイミングがあるかもしれませんので、今後も引き続きチェックして短期的※投資は自己責任でお願いいたします。