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連続ストップ安の悪夢…サンバイオの株価暴落から学ぶ投資心得

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止まらない連日のストップ安

  

1月29日よりサンバイオショックが生じ、株価下落が止まりません。サンバイオ(銘柄コード:4592)がフェーズ2b臨床試験において主要評価項目を未達成であったことが嫌気となり、売りが殺到しています。

  

2018年10月には株価3000円付近でしたが2019年1月21日には株価1万2730円、3か月ほどで株価は4倍、時価総額は5800憶円ほどにまで達していました。1月29日の終値は1万1710円でしたが、未達成IRが出てから3連続ストップ安で現在5710円と半値以下になっています。

  

新興銘柄の中でも、サンバイオはとくに期待されていた銘柄でマザーズ市場を牽引してきた銘柄のため、発表直後はマザーズ指数は8%も下落、サーキットブレーカーが発動してしまう事態に。バイオ銘柄を中心に株価は全体的に大きく下落しました。

  

マザーズ指数が下落した理由は、サンバイオの「未達成」IRで、他のバイオ銘柄もリスクと判断され売りが加速したこと、サンバイオ銘柄のホルダーが換金売りのために他の銘柄を処分売りしたことなどが挙げられます。

    

  

それほどサンバイオは注目度が高く人気ある銘柄だったんですね。しかし、人気が高いことが災いしてしまい、信用買い残は350万株近くあり、1月29日にはザラ場で1300万株の売りが出ました。それに対して、買いが入ったのはたった2万株のみという悲惨さです。

  

  

アキュセラ・インク6連続ストップ安を連想させる売り圧力

  

発表内容はフェーズ2bの項目「未達成」であり、期待される成果は出なかったかもしれませんが、臨床試験が「失敗」した訳ではありません。企業側も国内承認を急ぐと前向きなIRを出しております。それでも、ここまで強烈な売りが殺到しているのはなぜでしょうか?

  

  

一つ目は信用買いの多さです。株価が1万円を超えており、340万株の買い残は完全に狙われてしまったと言えます。逆に信用売りは1300のみ、倍率が2649倍となるとかなり人気が高かったことが伺えます。

  

  

次に、各々の証券会社の比率です。SBI証券が2.3%、野村證券が1%株を所有している点です。期待される成果が出なかった場合、ファンドは売らざるをえません。

  

そして、過去のバイオ銘柄の歴史が頭に浮かんだ投資家の方も多いと思います。上場廃止といった材料ではなく、臨床試験の結果IRだけで連続ストップ安をつけた銘柄は近年では稀でした。

  

  

2016年に6連続ストップ安を達成したのが眼科領域の医薬品開発ベンチャー企業のアキュセラ・インクでした。現在の窪田製薬HLDGS(銘柄コード:4596)になります。

  

  

加齢黄斑変性ドライ型の飲み薬を開発していた同社は、臨床試験フェーズ2aにおいて、90日間31人に対して23人が損傷範囲の改善が見られたことから期待が高まっていました。

  

ところが、臨床試験フェーズ2bにおいて5月26日に「投与群とプラセボ群での有意差が見られなかった」との結果発表があり、投資家の期待は大きく失望へと変わってしまいました。

  

また、結果発表の前日に株価が高値更新をしたことからも、あまりに不自然な流れでインサイダー取引の可能性があるとして、日本証券取引所が調査に入ったことも下落要因となりました。

  

2016年5月25日に株価は年初来高値7700円をつけてから、翌日より寄らずの下落、6連続ストップ安の末に6月2日に株価1100円で寄りました。実際のところ値幅制限の解除が2回ありましたので、下落規模で言いますと8連続ストップ安に相当します。

  

アキュセラ・インクは元々株価700円ほどで、半年近くで株価が10倍に達しました。このような暴騰はバイオ銘柄の魅力でもありますが、同時に材料が出てしまったときは売るに売れない、逃げるに逃げれない、恐ろしさでもあります。

  

  

サンバイオの時価総額は適正なのか?

  

サンバイオは、中枢神経系疾患領域の再生細胞薬を開発するベンチャー企業です。アキュセラは株価7700円の時に時価総額が3000億円ほどに対して、サンバイオは株価12000円を超えたときに時価総額5800憶円ほどでした。

  

まず、この時価総額が果たして適正であったのかという疑問が生じてきます。時価総額5800憶円というと、他の業界と比較して申し訳ないのですが、日本マクドナルドホールディングスが時価総額6400億円、昭和シェル石油が5950億円です。

  

マクドナルドは言うまでもない大手企業であり、飲食業界ながらも年間の経常利益は200憶円。昭和シェル石油も売上高約2兆円、従業員4450人、年間の経常利益は平均約1000億円です。

  

それに対して、サンバイオは年間の売上7億円、従業員は32人です。しかも1月28日に下方修正を発表し、-29億円に赤字幅が拡大とのことで業績も悪く、研究開発している主力パイプラインも少ないです。

  

それでは同業界と比較した場合、相当な時価総額といえるのでしょうか。時価総額5390憶円のサロンパスでお馴染み久光製薬は売上高1480憶円、従業員は連結で2800人、200億円以上の経常利益で黒字です。

  

ロート製薬も売上高は1700億円、従業員は連結で6000人、180億円ほどの経常利益にて黒字にも関わらず、時価総額は3480億円しかありません。ゆえに赤字会社で臨床試験もフェーズ2ということになりますと、時価総額5800憶円というのは異常に割高と考えてしまうのです。

  

   

サンバイオショックから学ぶ投資の心得

  

歴史は繰り返すように、今回の暴落も備忘録として頭の片隅に残しておくべきだと思います。アキュセラ・インクが連日ストップ安となっていた当時、明日は我が身として常に神経をピリピリさせて、しばらくは銘柄選定も慎重に集中していたものです。

  

しかし時が経つにつれて、このような話題も風化してしまいます。とくに慎重モードでポジションを持っていないときに日経平均株価が上昇したり、他の銘柄が暴騰している状況を見ると、指を咥えて羨ましく感じてしまいます。

  

そして、危機感が薄れてしまい判断が鈍くなっている時に、周囲の買い煽りに唆されて、ふとした瞬間に手が出てしまうのです。サンバイオも株価が上昇している時は、「今から株価は2万円を目指す!時価総額20兆円いく!」など勢いのある書き込みをよく目にしました。

  

脳梗塞を研究していて、素敵な銘柄には違いないですし、周囲の発言を信じることも大切なのかもしれませんが、中には売り抜けるために買い煽っている発言もあります。鵜吞みにしないで、最終的には自分で銘柄を吟味する必要があります。

  

投資家パトリック・ケネディの有名な言い伝えがあります。ウォール街の靴磨き少年が「この銘柄を買ったら儲かるよ!他の人には内緒だよ!」と株の話をしていたのを耳にした時に、「靴磨きの少年までもが株価上昇を信じている…これは異常な状況だ」と判断して、急いで持ち株を手仕舞いし、1929年の株価大暴落を免れました。

 

周囲が買い煽っていて、信用買いが加速しており、時価総額が割高になっても株価が上昇していく状況は株価の天井に近づいており、いつハシゴが外されるかわかりません。そして外されたときに凄まじい大暴落をしてしまいます。

  

よって、アキュセラ・インクやサンバイオのように、いつか天井がくるかもしれないことを常に意識しておき、万が一のためにも分散投資は欠かさず、絶対に信用取引で買わないことを今後の株式投資に対しての心得にしたいと思います。

  

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