2007年の上場以来、初めての減益発表!苦しい減配も
ZOZOの株価下落が止まりません。2月8日、年初来安値を更新して株価は1670円でひけました。一時、最安値1620円まで売られてしまい、7月に高値を記録した株価4875円から僅か7か月程度で株価は3分の1に。
ということは、前澤社長の資産も3分の1になったということになりますね。
下落した理由の1つとして、1月31日、2019年3月期決算について下方修正発表。売上高予想はは19%下落、純利益予想を280憶円から33%近く下落の178憶円に引き下げる内容でした。
ZOZOのプライベートブランドであるZOZOSUITが足を引っ張っていることが主な減益理由だそうです。そして、下方修正発表により1株当たりの配当金も減配となりました。
もともとの配当予想は36円で修正後の配当予想が24円のため、36円を期待していた投資家にとっては12円の減配。実際は29円が前期の実績なので、5円の下落発表になりましたね。
上場以来の初めてとなる減益発表で、翌日の市場は売られたのですが、それでも2000円の壁が厚く反発に支えられ、その翌日の2月4日には株価が上昇していったのです。
大幅な下方修正発表でも、投資家は完全に悪材料出尽くしと判断して、それなりの買いが入りました。
しかし、この大幅な下方修正の時ですら株価は2000円を維持していたにも関わらず、現在の株価はさらに15%近くも下げた水準に…
一体なぜ投資家は離れてしまったのでしょうか。 実は下方修正発表後の2月5日に、さらに株価下落を誘発する材料が出てしまいました。
最大のBtoBクライアントの喪失!
2月5日に、衝撃的な発表がありました。ユナイテッドアローズが通販運営においてZOZOから独立するというのです。ZOZOTOWNを象徴する若者に人気あるブランドであり、ZOZOにとって最大の顧客でした。
ZOZO離れは過熱しており、直近ではミキハウスや、「23区」、「ICB」のブランドで有名なオンワードホールディングスも撤退しています。
各々の撤退理由については、口を揃えてZOZOTOWNが導入した会員サービス「ゾゾアリガトーメンバーシップ」を挙げています。年額3000円、月額500円(税抜き)の会員費を支払うことでZOZOTOWNの全商品が10%割引になるというサービスです。
ミキハウスの木村社長は、期間限定のセールならまだしも、1年間いつでも開催される値引きセールはブランドイメージを下げ、百貨店など多店舗での客離れに繋がるとしてZOZO撤退を決意したようです。
オンワードもこの会員サービスについて、契約条件の折り合いが合わなかったと発表しております。割引分はZOZO側が負担する形をとるが、恒久的な値引きサービスはブランド価値を下げる危険性が高いと判断したとのことです。
今回、ユナイテッドアローズが自社サイトに切り替えた理由については、オンラインと実店舗の連携を強化し、EC事業の売り上げを伸ばすというものでした。2018年3月期単体売上は1283憶円、このうちEC売上の比率は19%で、比率30%を目指すとしています。
「ZOZO離れ」をした方が売上が向上すると判断したということですね。とにかくユナイテッドアローズのZOZO撤退は株価が大きく下落した大きな要因です。
影響力のあるTwitter投稿が逆に災いか
前回、ZOZOの前澤社長がTwitterで繰り返す発言内容と株価への影響の着眼点から、SNSの脅威とパワーについて記載しました。
Twitterを用いてインパクトのあるメッセージを伝えてきた前澤社長にとって、SNSは欠かせない存在であったことでしょう。もちろん投稿された内容により、株価は反応することが度々ありました。
年明けに、Twitter投稿した「1億円お年玉企画」は非常に注目度の高い企画でした。リツイート数も世界新記録となり、投稿内容が好感され株価も上昇。
しかし、お金をばらまく企画内容がゲーム感覚に近く不快に感じる方もいるようで、SNS上では疑問の声も。芸能人も賛否両論な意見でした。
他にも心臓病の子供への募金企画でも「リツイート1件につき10円寄付します」など、リツイート数に合わせた募金方法には様々な意見があり、これまでの資産アピール等が必死な話題作りと捉えられてきたようです。
もうTwitter投稿は削除されてしまいましたが、「お店で売られている約1万円の洋服の原価が2000円~3000円くらいだということを、皆さんはご存知ですか?」の発言も、アパレル業界の原価率を暴露し炎上しました。
この原価率暴露には、広告費や人件費等の各諸経費が含まれていない、その売り上げの3割もZOZOTOWNが手数料を頂戴している点など叩かれ、アパレル業界関係者とみられる方からも怒りの声が。
そんな前澤社長は、「本業に集中します、チャレンジは続きます。」という理由でしばらくTwitterを休止することを発表しました。
「Twitterの休止」投稿をしたのは2月7日の14時15分頃なのですが、直後に株価は瞬間的に上昇したことからも、投資家は前澤社長の発言をまったく好ましく思っていなかったことが浮き彫りとなりました。
わかりやすいくらい、株価は反応していますよね。出来高も急激に増えて株価が10%も上昇して1800円まで一時的に回復する場面も。
株価下落=投資家が離れているということになります。それほどまでに、前澤社長のTwitter発言は影響力があり、株価下落を擁護する災いをもたらしていたようです。こちらでも「ZOZO離れ」は加速しているようですね。
ZOZOSUITの低迷で市場から見捨てられ、導入した新サービスが不評でBtoBクライアントからも見捨てられ、Twitterの投稿内容で世間からバッシングを受け、このような状況から投資家からも見捨てられたZOZOは、今後挽回の余地はあるのでしょうか?
株価下落により前澤社長の資産は溶けていく中、現在計画中の総額800憶円以上の費用が発生するであろう月旅行に行けるのか心配です。