フィクション離れ
若者の情報収集スタイルが変化しています。「雑誌離れ」が増加しているはのはご存知でしょうか?
主にTwitterやインスタから情報を収集しているそうですよ!
ということは、雑誌のような「紙媒体」からの情報収集ではなく、パソコンやスマホからの検索といった「ネット媒体」に手段がシフトしつつあるのかな?と思いがちですが、そうでもないようです。
実際のところ、検索エンジンからの情報収集に頼らない傾向も増加しており、SNSからの情報収集が伸びています。背景にあるのは、「リアル」を求める現代人の感性と、「フィクション」が拒絶される観点です。
従来の若者は、ファッション雑誌やブランドの広告モデルを参考にすることが多かったです。ファッションショーの様子や、雑誌に掲載されている芸能人やモデルさんに憧れてファッションを真似していました。
他にも、ネットで検索して上位に表示された口コミやランキングで商品や飲食店が気になることもありましたよね。
しかし、そのような雑誌や口コミ、ランキングを「フィクション」と判断して受け入れようとしない感性が、若者の中で、SNSと共に成長しています。
どのような部分を「フィクション」と考えてしまうのでしょうか。また、受け入れられないのはどうしてでしょうか?
「リアル」を求める若者
ファッション雑誌は広告塔でもあります。掲載されている写真での、身に着けているアイテムは、各ファッションブランドから提供されていることが多いんですよね。
この時点からわかることは、伝えたいファッション情報は芸能人やモデルさんの意向ではなく、商品を売りたい側の意向で雑誌が作られています。
となると、ファッション雑誌離れが起きているのも理解できますよね。
モデルさんや芸能人の方が、自らのセンスで取り入れたファッションではない点が、「フィクション」であると思われているのではないでしょうか。
よって、読者は雑誌で得られた情報を元に真似たところで、憧れの存在には近づけていないと感じる方も現れます。この時点で「リアリティ」が欠けてしまいます。
その点、本人が情報を発信するTwitterやインスタでは、若者だけでなくファンに対してリアリティな情報を配信することができます。
ファッションもそうですが、気に入っている商品や、食べたもの、訪れた場所など、様々な情報をリアルタイムで伝えることができるのです。
この「リアルタイム」というのも非常に重要な要素で、憧れの存在と常にリンクすることができますし、日々変化する流行に対して敏感に情報収集ができ、瞬時に反応することができます。
真実性や迫真性といった「リアリティ」と、同時的に瞬時に情報を収集したい「リアルタイム」、この両者に含まれる「リアル」こそ、現代人の中で需要が発生している要素であり、求められている点です。
若者にとっての「フィクション」
現代の若者が、リアリティやリアルタイムといった「リアル」を求めている点についてはわかりましたが、ネットの口コミやランキングを「フィクション」と捉えているのはなぜでしょうか。
それは、匿名性で覆われたネット社会には、信ぴょう性が低いと捉えている若者が多いことに他なりません。商品の口コミにしても、業者や出品者が高評価をつけているだけのように見えるのです。
検索して、ランキング上位に出てくる内容は、必ずしも評価されてトップに上り詰めたものではないのです。多額の広告料を支払ってその地位を独占しているものもあり、全てが事実とは限りません。
そこには「リアリティ」がありません。 若者=ティーンエージャーはそういった「純粋な部分」な感性が大人よりも研ぎ澄まされていることが多いです。
そういったネットの作られた世界を「フィクション」と判断されてしまうのではないでしょうか。匿名性が少ないSNSを利用した方が、より「リアル」に近づけるということですね。
また、ネット検索で表示された情報の中には古いものもあり、決して新鮮な情報という訳ではありません。トレンドに敏感な若者にとって、「リアルタイム」であることは欠かせないのです。
Twitterやインスタに投稿されている内容が、必ずしも「ノンフィクション」とは限りませんが、少なくとも憧れの存在である対象本人が発信した情報という「事実」は残ります。
その情報が、仮に業者が絡んでいる広告であったとしても、「虚構」であったとして、若者は「事実」と認識すれば、「リアル」として受け入れるというということでしょう。
つまり、「リアル」と「フィクション」は実は表裏一体であり、受け取り側がどのように認識したかによって、捉え方が変わってしまうのかもしれません。
だからこそ、「リアル」と思われていたものが「フィクション」とされた瞬間に、支持されなかったり炎上してしまう事もあるかと思います。
それでも、得られる情報の正確さや精度を少しでも高めたい動きから、「リアル」により近い「SNS」が支持されているのかもしれませんね♪