ゴ魔乙のゲーム会社がライブ配信事業に参入!株価約5倍に!
ゴ魔乙(ゴシックは魔法乙女)などのゲームアプリを主力の稼ぎ頭としているケイブ(銘柄コード:3760)がストップ安になりました。ゴ魔乙は2020年7月にダウンロード500万人を突破するなどまずまずの業績貢献をしていて、10月にはワールドウィッチーズの受託を始めるなど順風満帆な方向性でした。
さらに、ケイブは中華圏、東南アジア、欧米と言った海外マーケット需要を狙ったライブ配信アプリを始めるとして注目を浴びたのです!
ライブ市場の売上高な年々上昇しており、2018年のは132億円だったのが2020年には7442億円にまで市場が拡大。
株価は2020年3月の安値586円から8月は最高値2867円にまで株価約5倍となりました。
しかも、IRでは「ライブ配信事業」の下に「Capable事業」が掲載されていてこの事業はAKB48のメンバーを含むモデル、アイドル、タレントが携わっていますので、芸能人のパイプをちらつかせたアプリの印象を与えています。
この配信アプリ事業の開発には、アンドリュー・チャン氏が指揮を執っているそうで、その煌びやかな経歴を掲げることで、さらに株主の期待を高めたのではないでしょうか。
芸能人が絡むライブ配信アプリと言えば「17」が連想されますよね。配信者とファンがワンチームになるというIR内容から「芸能人と距離の近い」配信アプリと捉えやすく、そういった様々な思惑が株価を上昇させました。
本来は2020年7月に配信アプリ事業が始動する予定でしたが、開発が遅れているそうで2021年3月に延期となりました。それでも、株主はしっかりチェックして万全な状態で事業を開始して欲しいという気持ちを込めて、我慢して配信アプリ事業を待っていたことでしょう。
ライブ配信事業の全貌が明らかとなり失望売り
ところが!実際に蓋を開けるとライブ配信アプリというのは占い師が配信する
占いアプリ 「占占sensen」だったのなのです・・・!!配信アプリの全貌が明らかとなって、これには株主もポカーンで驚愕だったことでしょう。
過去のIRを見ても、この「占い」というキーワードに沿わない紹介がされており、「双方の承認欲求が満たされる仕組み」って何だったの?「配信者とファンのワンチーム」って一体なんだったの?といろいろな疑問が生じてしまいますが、ここでさらに不信感が募るIRが連発します。
当初、配信アプリ事業の開発を指揮していたアンドリュー・チャン氏が配信アプリ事業とは別に台湾子会社設立の代表と紹介に変わったのです。そして、「当社開発のライブ配信事業への助言」と立場が変わりました。
また、今までは「ライブ配信事業」の下にAKB48メンバーの写真を用いて「 Capable事業 」の説明をしていましたが、写真が削除されていて別の紹介がされています。このタイミングでの写真削除にきな臭さを感じます。たまたまかもですね。
このような不信感が募って株価がストップ安になったんでしょうね。ここで、以前ご紹介した「ブランジスタのアプリ:神の手」IRの事例を思い出しました。全貌がわからぬまま「神の手」と煽るだけ煽って、蓋を開けてみたらクレーンゲームアプリだった時の話です。
ブランジスタもアプリの全貌が明らかになったときは株価が暴落しています。しかも、「神の手」はサービス終了しておりすでに撤退しています。はたして、占いに特化した配信アプリに将来はあるのでしょうか。
占いアプリ「占占sensen」の将来性は?
さて、皆さんは占いに興味がありますか?言い換えると、?配信者とのライブ配信に興味持っていたユーザーが占い師と対話したいですか?ネットには多数の無料占いサイトなどが存在しますが、課金してまで占い師の生配信を受けたいと思いますか?
まず占いに興味があるのは女性が多くて、男性があまり占いに興味がない方が多いのではないでしょうか。男性ユーザーの課金者を集めれないとアプリ存続は厳しいと思います。そういった意味でも、なぜ「占い」に特化したのか謎です。
さらに、占いの様子がイメージ写真でありますが、占いアプリとなると配信者と視聴者の関係が1対1ですよね。これでは、一人の配信者と複数のファンで描かれている過去のIRでのイラストが明らかにおかしいですよね。
また1対1のアプリだと利益率が相当悪くて効率が低いのではないでしょうか。ライブ配信の魅力は1人の配信者に対して数万人~数十万人が結び付く事業なので、まったく配信の魅力が活かせていないような気がします。
ライバーが数十人獲得済みとのことですが、てことは対応できるお客さんも数十人ってことですよね?
株主も、過去のIR記載情報とまったく関連がなく当てはまらない配信アプリが誕生したことや、このアプリの「占い」というコンテンツ情報が半年間も伏せられていたことなど不信感から株価暴落に繋がったのではないでしょうか。
私としてはファンと配信者を繋げるアプリというイメージから芸能人の配信アプリと捉えていましたし、その方が需要高いと思っていたので、このライブ配信事業が成功するのかどうか気になるところですね。