2018年の株式市場を振り返る
明けましておめでとうございます!
2018年もお疲れさまでした。昨年はトランプ大統領にかき回されて相場が読めずに悩まされた一年でしたね。
北朝鮮の核ミサイルといった米中対立問題から始まり、2月にNYダウは26000ドルから23000ドル台まで叩き売られました。釣られて日経平均も売られる流れに。
この時は下落に対抗しようとナンピンをし続け、余力が完全になくなってしまい、含み損が膨らんだのを鮮明に覚えています。かなり冷や汗かきました涙
韓国で冬季オリンピックが開催された時期でしたが、日経平均株価は3月まで売られ続け、とくにオリンピックご祝儀相場にもならず…
背景にあったのは貿易摩擦の懸念材料。トランプ大統領令により、3月には鉄鋼製品に25%、アルミ製品に10%の関税を課すなど貿易戦争の引き金になりました。
その後、6月に向けた米朝首脳会議に向けて米中戦争懸念が次第になくなり、株価も次第に回復傾向に。
その後も繰り返されるロシアゲート問題やトランプ大統領側近人事の相次ぐ辞職といった政局問題が後を絶えませんでした。
10月にはサウジ人記者のカショギ氏暗殺でサウジ皇太子が関与していたのではないかと問題が浮上し、世界情勢が悪化しました。
フランスでは現マクロン政権へのデモ活動をする「黄色いベスト」運動が、7週連続で行われるなど収束しる兆しが見えません。
そして、着陸地点がまったく見えない米中貿易戦争です。12月のHuawei幹部逮捕以来、米中関係は深刻化しております。
このように、2018年も様々な世界情勢を揺るがす問題が生じ、未解決のまま2019年に受け継がれ、甚大な爪痕を残しました。
2019年の株式市場は?
年明け、1発目の懸念材料として挙がるのは「国境の壁」問題でしょう。トランプ大統領は「国境の壁」予算で民主党と対立してますが、民主党が予算を認めない場合はメキシコの国境を封鎖すると牽制しています。
そして、3月にはイギリスがEU離脱を控えており、欧州の経済が混乱する可能性があります。ドイツ銀行の破綻懸念など、欧州の金融危機に注視です。
また、同時期には対中追加関税90日の猶予期間が切れることからも、米中貿易戦争が再加熱しそうです。もしくは、1月~2月あたりに米中両サイドから追加関税に関する材料が出る可能性があります。
一言でまとめると、2019年は「不安・懸念」が蔓延る年となりそうです。年初の日経平均株価に対して終値が下回ったのは7年ぶりであり、アベノミクス終焉が囁かれています。
このような景気衰退に関する噂は、投資家心理に強く意識づけられてしまい、「下落相場」に突入したのではないかと弱気になりがちです。
最近の市場取引ではAIによる自動取引が加速化しています。売らされるときは、業績等が度外視されとことん売らされることから、乱高下を繰り返し非常に難しい相場となりそうです。
そして、為替の方も円高傾向になると予想される方が多いようです。為替に関しては、ニトリ会長:似鳥昭雄氏は1ドル100~110円で推移すると予測しています。
ニトリ会長は、1年前に2018年末の日経平均株価を1万9500円、為替を1ドル108円とそれぞれ予想し、僅差で的中させている株価予想のプロです。
このように著名人が下落相場と予想することで、日経平均株価の下落や為替の円高方向に、投資家心理が煽られる可能性は高いです。
下落相場でも勝つために
下落相場でキャッシュポジションをとる人も多いと思いますが、敢えて参加することでリーマンショック、チャイナショックでも、株価で利益を出す人はいます。
ただ、買いで参加するのは非常に難しいです。下落相場ではチャートも参考になりませんし、とにかく業績に関係なく必要以上に売られます。
今まで底値と思われていた株価や抵抗ラインがまったく意味をなさずに、常に年初来安値を更新する状態です。ナンピンを繰り返して塩漬けになるのはこれが要因ですね。
そんな時は「空売り」を利用される方もいるかと思いますが、突然の株価暴騰や踏み倒しが怖くて手が出せない方も多いと思います。
私はあまり空売りを得意としていないため、今回は空売りの方法は省きますが、もし空売りで勝負をかけたいという方がいましたらスルーしてください。
買いと売りで両建てを得意とする人は、リスクをさらに分散することができます。株価の上下でダブルに利益を生み出す人はかなり上手な人ですね。
余談で、空売りが苦手でも下落相場で買いポジションで挑みたいという方には、世界情勢が悪化すると上昇する指数があります。そちらを買ってみるのも良いかもしれません。詳細はコチラの記事をご参照ください。
さて、空売りをせずに「買い」の状態で下落相場に挑むためにはどのような対策が必要なのでしょうか?
下落相場で「買い」ポジションで参加するのであれば、どこかの反転を迎えるまでひたすら「耐える」しかないと考えます。
ただ、「耐える」と言っても、とくに判断理由もなく耐えるのは非常に辛いものです。心の支えがなければ下落をびくびくしながら見守ることしかできません。なにかしら「耐える」ための指標が欲しいところです。
一つ目の心の支えとして、「業績」や「実績」以上に売られている銘柄は狙い目です。連続増収増益や連続最高売上更新、はとくにおススメですね。
注意点は、どれだけ業績が右肩上がりであったとしても、割高株を購入するのは危険ですので、PERやPBRの分析はしておいた方が良いです。
業績を確認したところで、次に配当金や株主優待制度が整っている銘柄を着目します。とくに株主優待よりも高配当銘柄の方を推します!
また、配当金利回りはどんなに高くても、業績が悪いと減配の可能性があるので業績もチェックする訳です。
配当利回りは4%以上で高配当とされることが多いのですが、今は株価下落の波に飲み込まれて6%近くの利回りとなっている銘柄も点在しています。業績も問題なく順調であれば、このへんは本当に狙い目です!!
また、世界情勢が乱れても株価が乱高下しにくい国内の「内需株」を購入するのがお勧めです。内需株は円高にも強い銘柄ですので、為替を気にするのであれば押さえておきましょう。
要するに、「業績や企業価値」に申し分なく、「高配当」や「潤沢な株主優待」で「内需株」が株価下落しているのであれば、積極的に買いを入れて良いと考えています。
なかなか全ての条件をクリアしている銘柄は少ないですが、いくつかの条件を満たしている銘柄はありますので、そういった銘柄を分散投資で複数所有するのも対策です。
最後に、下落相場でも資金が流れてきやすく株価上昇を狙える銘柄があります。それは「テーマ株」と言われる旬の銘柄です。テーマ株については、また後日詳細を改めて書きたいと思います。
どれだけ世界情勢が乱れたとしても、株価が下がり続けることは歴史上ありません。業績や企業価値以上に売られ過ぎた銘柄は、株価回復しやすいものです。
それでも、含み損を抱えてしまいロスカットしなければならない事態は発生します。キャッシュが必要になってしまったり、株価下落に繋がる悪材料が出てしまったり。
上記でご紹介したのは、少しでもロスカットを減らして株価上昇を狙う銘柄を見出すための選定ポイントであり、下落相場でも利益を出す確率を高める対策です。
どのような相場でも、その銘柄を所有している理由が明確であれば、含み損に怯えることもなく、自信をもって株式市場で生き残ることができると思います。