ソフトバンクとヤフーの合併会社として設立された「PayPay株式会社」が変革の時を迎えています。2018年より開始していたQR・バーコード決済サービス「PayPay」において、無料とされていた加盟店手数料が有料化となります。
2019年には1.2兆円であった「PayPay」決済取扱高ですが2020年には3.2兆円と2.6倍にまで成長しており、今後加盟店から手数料を頂戴することで年間800憶円の営業損失をペイしていく道筋になるとされています。
私の会社でもPayPayを導入しているのですが、この度、PayPay担当者さんにお話しを伺う機会がありましたので、気になるPayPayの話題についてまとめていきたいと思います。(`・ω・´)
PayPayの手数料が有料化!2021年10月から予告
現在は一律無料で利用できるPayPay加盟店手数料ですが、2021年の9月30日をもって終了し2021年10月より有料化となります。導入している私としては悲しいお知らせです・・・
PayPayが2018年に実施した100億円キャンペーン覚えていますか?既にPayPayがばら撒いた金額は300億円と言われており、今から少しずつ資金を収穫していく時期に入ったということでしょうね。
PayPayの経済圏はとても広く、携帯電話では「ソフトバンク」「ワイモバイル」が挙げられ、銀行では「PayPay銀行」など。ヤフオクドームが福岡PayPayドームに名前を変更するなど認知度も上昇しています。
さらに、タクシー配車サービス「DiDi」やフリマアプリ「PayPayフリマ」など多岐にわたってビジネスに繋がる活路を見出しています。十分に土台が整ったということでしょう。
この流れに逆行しているのが「メルカリ」で当初はフリマアプリから始まりましたが、「メルペイ」などのスマホ決済サービスを展開することで事業拡大を図っています。
まずは気になる「料率」について質問してみました。※ここからはPayPay担当者さんの回答です。会社の公式会見ではありませんから参考程度にお聞きください。
手数料の料率について
加盟店が支払う手数料の料率ですが、どのくらいの「%」になるでしょうか。詳細については2021年の8月末に決定して開示予定ですが、その筋(PayPay担当者)の話によると「1.96%(税抜き)」くらいになるのではないかという話でした。
この話を聞いた時、驚愕しましたね!とても安すぎるのではないかと。後にも紹介しますが、他のスマホ決済、競合の手数料と比較するとぜんぜん違います。※他社は2%を超える予定
もちろん、確定した話ではないのであくまで推測された割合とお考え下さい!!
ですがPayPay取締役副社長執行役員COOの馬場氏は以前から「業界の最安値水準を目指す」と発言されていたので以外にもこの料率は実現しそうですね。スマホ決済の競合と比較するとかなり安いです。
ましてやクレジットカードと比較してしまうと、クレジットカードは後払いの「信用」も絡んでしまうので手数料は約3%・・・お客様からしたらクレジットカードは分割できるなど利用しやすいのでしょうが、加盟店側はつらい(´・ω・`)
ただ「安い」とは言っても、今まで「一律無料」でPayPayを利用できていた加盟店の立場で配慮すると、有料化されるのは嫌な話には違いありません。私の会社も導入していることから、できれば無料であって欲しいですからね・笑
PayPay加盟店が離れる可能性は?
さて、有料化することで「加盟店の離脱」はあるのでしょうか?担当者さんの見解ではまったくそのような危機感はないとの回答でした。根拠としては「認知度」と「競合の動き」と「料率」なのだそうです。
2021年6月17日にはPayPayの登録者数が4000万人を突破して、これは他のスマホ決済サービスとは比較にならないほど多くのユーザーを獲得しているそうです。※例えば、auペイでは2300万人、メルペイのユーザーは1000万人ほど。
キャッシュレス決済で急成長を遂げている「PayPay」が支持を集めることに成功した大きな要因は認知度であると思います。2018年と2019年の「100億円あげちゃうキャンペーン」はインパクトが強かったです。
また、KDDIの決済サービス「au Pay」もLINEが展開するLINE Payも2021年の9月~10月頃より有料化する予定となっています。料率としては一部を挙げるとau Payは2.6%(税別)としていて、LINE Payは2.45%(税別)予定です。
もし仮にPayPayの手数料が2%を切るというのであれば圧倒的に安い料率を実現することができます。むしろ、十分に利用活のある決済ツールとして設置店が増えそう。需要があるでしょうね。
「認知度」によりPayPayのユーザー数が増えました。料率についても競合より安くなる可能性が高いです。ですから今後、手数料を有料化したとしても加盟店がPayPayの設置を取り下げる理由はとくにない訳です。
以上の点から、PayPay加盟店が離れる可能性は低いという点に納得しました。さて、今後のPayPayの野望や目標についても伺いましたよ。
今後のPayPayの狙いや勝算は?
担当者のお話により、認知度や手数料の料率により加盟店が離れない自信がある点については理解できましたが、実際のところスマホ決済はライバルや競合が多いです。
メルペイ、au Pay、楽天ペイなど、多数の大手企業が参入している中で、果たしてPayPayは有料化することで今後も支持を獲得できる勝算はあるのでしょうか?
まず、PayPayは2022年4月に登録ユーザー数が8100万人とされているLINEペイと競合します。国内スマホ決済のみではありますが、これはかなりのアドバンテージですよね。
余談ですが会話・通話アプリ機能を兼ね揃えた「LINE」の8100万であるのに対して、「PayPay」という「決済機能」だけにも関わらず4000万人のユーザーがアプリを登録して利用しているってすごいと思いませんか?
スマホ決済を競合として「d払い」を取り扱うNTTドコモが挙げられますが、2020年の取扱高は8100億円に留まり、3.2兆円という凄まじさを放つPayPayの強さが伺えます。
しかもPayPayの強みは導入における敷居の低さです。利用できる店舗数は300万店舗を突破しており、クレジットカードが利用できないけどPayPayは導入しているというお店も多いですよね。
これは、スマホ決済サービスのほとんどがチャージした金額で購入する、デビットカードのような性質を兼ね揃えているからだと思います。クレジットカードは後払いシステムなので導入にも審査が厳しいって訳ですね。
このように強みを活かして利用頻度も挙げていき、PayPayは2020年の決済回数は年間20億回に達しているのです。いかに生活の一部として根付いているのがわかりますね。
認知度、ユーザー数、取扱高、LINEPayとの統合、決済回数頻度、様々な要素でもPayPayは圧倒的に他の競合他社に勝っており、優位な立ち位置にいます。
今後はペイペイフリマなど事業ビジネスを拡大して販路を拡大していくそうです。それに伴ってPayPay銀行を主要取引に利用してもらうなど組み合わせることにより、お客様にはポイントが増える特典など、会社にはユーザー数の拡大というビジョンを描いているとのことでした。
まるで、当時のヤフオクがYahooカードのご利用で・・・ジャパンネット銀行のご利用で・・・ポイントアップ!などと連携して強化を図るのと似ていますよね。今後もPayPayの快進撃に注目して期待したいです。