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東京オリンピックは開催?中止?IOCと菅政権がオリンピックを中止にしない本当の理由と裏事情についてわかりやすく解説

投稿日:2021年1月23日 更新日:

  

  

無理にでもオリンピック開催を実現させる本当の理由

 

  

菅総理はオリンピック開催に意欲を示していますが、ここにきて英タイムズ紙が「東京オリンピック中止で2032年にシフトする可能性」について伝えました。これには東京2020組織委員会も否定している訳ですが、実際のところは?

  

政府とIOCは、形がどうであれ、オリンピック開催を目指して、なんとしても実現させるでしょう。 理由について丁寧に解説します。 キーワードは、「次の選挙のための布石」と「興行保険」と「IOC幹部が弁護士集団」です。

 

また、東京2020組織委員会、IOC、菅政権政府の立場で見解が異なる点もわかりやすく説明します。

  

まず、オリンピック開催は現状3つのシナリオが用意されています。①オリンピックを観客上限なしで開催、②50%の人数で開催、③無観客開催の3パターンに分類されています。それとは別に④オリンピック中止の選択肢です。3月末に政府が最終判断をする予定です。

  

さて、 東京2020組織委員会の主な利益はチケット販売なので①→②→③→④の順番で売上が減少していきます。チケット収入は900億円を見込んでいますが、制限や無観客によってはチケット払い戻しなど収入が減少してしまいます。

  

組織委員会としては無観客のオリンピック開催≒中止に近い意味合いがあり、無観客を望ましくないというのが、IOCや政府と異なるポイントです。場合によっては、公金を投入しないと成り立ちません。

  

  

次に、経済損失の観点で見ると、 ②観客50%の人数で開催:1兆3800億円の経済損失③無観客の開催、2兆円4100億円の経済損失④オリンピック中止:4兆5000億円の経済損失の推定と、関西大学の宮本名誉教授により試算されています。

  

オリンピック無観客での開催と中止では雲泥の差ですので、政府としては無観客でも構わないからオリンピック開催をしたいところ。組織委員会とは少し立場が違いますよね。

  

また「オリンピックを開催する」ことは、コロナに打ち勝った強い政府のイメージに繋がり、 次の総選挙を意識した菅政権の肝いり政策なので無観客でも「オリンピック開催」することに意味があるのです。

  

そもそも組織委員会というのは、オリンピック開催に向けた準備運営、監督が仕事であり、オリパラが終了すると解散する組織ですが、オリンピックを経済刺激策・選挙の道具と政権付与に結び付けたい政府では立ち位置が違います。

  

IOCの立場はどうでしょうか。オリンピックにおけるIOCの主な収入源は「放映権とスポンサー料」です。つまり、④オリンピック中止の場合、放映権収入が見込めません。

  

正確に言うと、スポンサー料は既にIOCに入っているため、④中止の場合は、合意解約という形でスポンサーに返金する必要があります。支払いなければ訴訟される可能性も。

  

つまり①、②、③の、とりあえずオリンピックさえ開催すればIOCは放映権やスポンサー料の収入が入るので、人数制限で50%にしようが無観客にしようがあまり関係のない話なのです。

  

IOCがオリンピック開催に前向きになった裏事情とは

 

  

それでも2020年3月頃のIOCは「オリンピック中止の可能性」も示唆していました。オリンピック中止でも致し方ないというのが、以前のIOCの考えでした。

  

実は、オリンピック開催について前向きになったのはつい最近のことです。 なぜかというと「オリンピック中止の場合の保険」です。IOCは万が一、オリンピックが中止になった時に備えて常に保険をかけています。

  

一時は「一年後の2021年に東京オリンピック開催がない場合はそれ以降の延期はない。中止である。」と中止の選択肢も考えていたほどでした。なぜ、「開催」に強いこだわりを示すようになったのでしょうか。

  

実は、この加入した「オリンピック中止の場合の保険」ですが、「災害や戦争などで開催が困難な場合」が前提として挙げられており、「新型コロナウィルスのような疫病」のケースが記載されていないので保険適用しない可能性が浮上したのです。

  

実際に、アメリカのメジャーリーグ団体のMLBが無観客試合が続き、3200億円ほどの赤字を出し、「興行に関する保険」に加入していたところ、新型コロナウィルスのケースは保険適用除外という判断をされてしまい、保険会社と訴訟問題にまで発展しています。

  

IOCはこの「MLBの事実」をきっかけに方向転換、保険が適用されない場合を考慮して「中止はありえない」と急遽「開催に前向き」になったではないかと考えられています。

  

IOCは法律の専門集団!法律のプロ組織!

  

  

実はIOCの幹部は、ほぼプロの弁護士集団で組織されています。IOCトップのトーマス・バッハ会長もドイツの弁護士ですし、実質NO.2のジョン・コーツもオーストラリアの弁護士です。ディック・パウンド も弁護士、ジャンニ・インファンティーノも弁護士・・・法律に詳しいスペシャリスト組織な訳です。

  

なのでMLBのケーススタディーからも、「オリンピック中止による保険適用」の選択肢は利益獲得面でもかなり不利であると、プロの集団らにより速やかに判断したのでしょう。

  

保険がおりないのであれば、放映権収入を取りにいく。日本のコロナ感染状況は無視で、無観客とか制限かけてでもオリンピックは実現する、チケット販売など日本の利益は無関係。

  

悲しいですが、「カネ」の理由です。無観客の方が、かえってテレビやネットで視聴する方が増えるかもしれないのでスポンサーとしては万歳ですからね。

  

そして、その「無理にでもオリンピック開催」について、政府とも意見が一致しているのです。菅政権としては、オリンピックを開催したという実績とアピールが解散総選挙に繋がるためでしたね。

  

こんな裏事情により、オリンピック開催はほぼ間違いなしな状況。現時点で日本国民の8割がオリンピック開催に否定的だそうですが、関係ないのです。

  

開催国から歓迎もされていないオリンピック実現に何の意味があるのかはわかりませんが、開催までにコロナ感染者が大幅に減少して、オリンピック開催に肯定的な意見が増えたら良いですね。

  

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