武田薬品が厚労労働省に承認申請!
武田薬品工業〈4502〉が3月5日、アメリカのバイオ企業モデルナが開発した新型コロナウイルスワクチンの製造販売について、厚生労働省に承認申請したと発表!
承認の判断がされるのは5月以降になる予定で、承認されれば武田薬品が国内の流通を担うこととなります。以前、武田薬品の株価とモデルナの関係についてまとめた記事がコチラ。
夜間取引(PTS)では3855円の始値で一時株価が3900円まで買われて上昇しました!ポジティブな反応であり、これが当時に武田薬品を買い推奨した理由でもあります。ブログ記事にまとめた時期の株価は3600円~3700円台。
モデルナワクチンの優位点は、何と言ってもその有効性の高さ!95%以上の実績があります。アストラゼネカ製のワクチンがよりはファイザーやモデルナワクチンの方を希望したい!
ここで訂正箇所として、当時は超低温での保管が必要でない点も魅力として投資理由にしていたのですが、2月末にファイザーから「コロナワクチンが一般冷凍庫で保管できるようになった」発表が出ているので注意です。
承認申請だけでもこの強さですからね!日経平均株価が大暴落している中、株価推移としては強い銘柄だったのではないでしょうか。ディフェンシブ銘柄でもあります。
ところが「モデルナのワクチン」「高配当金」などの魅力がありながらも武田薬品の株価は割安で放置されていました。今回はなぜ武田薬品の株価が長期低迷していたのか、その理由について見ていきましょう!
なぜ武田薬品の株価は割安だったのか?
武田薬品は2018年頃から株価が下落トレンドに。アイルランドのシャイアー買収が最大の要因で、その買収規模は約6兆円と巨額なものでした。シャイアーの買収を検討していると発表した2018年3月29日、たった1日で株価7%も下落。
その後に武田薬品はメガファーマ入りを目指して2019年1月8日に買収を完了。シャイアーのパイプラインを手に入れて売上高も合算で3兆4685億円となり世界売上高ランキングでトップテン入りの8位に昇りつめました。
シャイアーの「消化器」「がん」「精神神経」の領域におけるパイプラインを獲得してグローバル展開を目指そうとしたものの、投資家からは不安の意見が強く、思うような結果が得られないのではと判断されてしまったようですね。
理由としては、血友病薬の市場において中外製薬の創薬である「ヘムライブラ」がライバルになること、巨額の減損リスクを抱えること、ADHD治療薬「ビバンセ」の特許が数年で切れるなど、将来性が不透明であったことが挙げられます。
現に、武田国男元社長はこのシャイアー買収にあたって反対派であった訳です。このような背景から武田薬品の株価は長期低迷を余儀なくされました。
「アリナミン」「ベンザブロック」の売却など、まだまだ武田薬品のおかれている状況は先行き不透明です。これらの一般用医薬品(OTC)は売上高は小さくとも、とくにアリナミンは武田薬品の顔でした。
今後は、睡眠障害治療薬などの大型化を展望しており2030年には売上収益を5兆円目指すとしています。今回の「コロナワクチン」というのは、何かしら株価が上向きになる1つの突破口になるのではと期待しています。
シャイアー買収が吉と出るか凶と出るか・・・2030年に答え合わせできますね。それまではワクチン思惑など、需要が高い分野で勝負をかけていきたいですね!※投資は自己責任でお願いします!